新しい広辞苑と『舟を編む』
長らく我が家には国語辞典はあれど広辞苑や大辞林というような巨大な?辞書はなかった。
最近、言葉に向き合う機会が増え、
それに伴い語彙や表現が足りずもどかしいと思うことも増えた。
広辞苑の第七版が出たので、Amazonでブツをポチることに抵抗がなくなりつつあることに軽くショックを受けながらも、躊躇いなく購入。
配達を待つ間、無性に『舟を編む』(三浦しをん著)を読みたくなり即 BOOK・OFFへ駆け込んだ。
やった、あった。108円じゃないけど。
久しぶりに本を読んで笑った。
このところ学術系(?)の専門書ばかり読んでおり、たぶん眉間にしわを寄せて読んでいたであろう、それらは面白く感嘆したり頷いたりはするけど笑えるものではなかった。
それゆえ、本を読んで笑うなんてことが随分と久しぶりだった。
軽やかで、人の心の細やかな動きについて丁寧に書かれていて、大げさな心理描写で感情がグラグラと揺さぶられることはない。
淡々と進んでいくように思われるが、辞書を通しての静かな情熱がずっと最後まで続く。
なんだろうこの健全な読了感は。
だれも背伸びしていない。
コツコツと作業を進めていく感じが土っぽいんだ。
唯一西岡が一番人間くさい。そしてその弱さに惹きつけられる。
読んだ後、人が好きになる笑
人間の関係性を信じてみようと思う。
ちょっと自分の曲がったつむじが改善した錯覚に陥るが、いいだろう、そんなこともなくっちゃねぇ。
Michi Kurumi ∞